【怖い話】彡(゚)(゚)「旅館の求人やて?」

2020年5月21日

怖い話 旅館の求人

旅館っていいなー。ドラマや映画によく出てくる古い日本家屋の旅館。風情があります。

今回は、そんな温泉旅館のおはなし。バイト探しは給料だけで選ぶと危険です。そもそも、求人情報の内容なんてあってないようなもの。求人の依頼主は、平気でウソを書いています。月給40万円プラスうんたらかんたら……実際は20万円も無かったり、給料支払わずにクビにしたりなんてね。

知り合いがそこで実際にバイトしてる場合とかじゃないと、真実はわからないものです。

このお話の主人公は、くたびれています。幻を見るほどに……。

 

 

【怖い話】彡(゚)(゚)「旅館の求人やて?」

ホンジツハ ○○リョカンニ キテオリマース

ナント コノリョカンハ クチコミデニンキノ……

彡(゚)(゚)「ええなー、ワイもあんな観光地行きたいもんやで」

彡(^)(^)「自然を満喫して、温泉入って、豪華な懐石料理とか」

彡(^)(^)「でも、金がない!」

彡(゚)(゚)「また、実家のマッマに頼むかな」

彡(゚)(゚)「いやアカン。確か、先月借りとった金返してなかったわ」

彡(ー)(ー)「パチンコ、いや仕事か……」

 

 

ジワジワジー

彡(ー)(ー)「というわけで、ええバイト探し中のワイ」パラパラ

彡(^)(^)「ま、バイトなんて腐るほどあるしやな。一番目でいきなり決まったりしてー」パラパラ

彡(^)(^)「それじゃ、ここにしよか」

 

1回目

彡(゚)(゚)「もしもし、求人情報誌みて電話を……」

「ハア? ああ、もう間に合ってるよ」ガチャンッ

 

2回目

彡(^)(^)「警備なら得意なんや、任せてほしいやで!」

「もう募集はしていません」

 

10回目

彡(^)(^)「皿洗いでもなんでもしますんで……」

「うちは大卒じゃないと雇えないけどおたくは?」

彡(^)(^)「……」カチャ

 

 

彡(ー)(ー)「はあぁぁ、何件電話してもアカンやないか」

彡(゚)(゚)「どいつもこいつもワイを雇わないなんて、後悔しても遅いで」

彡(゚)(゚)「もう夕方」

彡(ー)(ー)「これは焼肉のニオイ……肉、ええな」クンクン

彡(ー)(ー)「あー、冷蔵庫になんかあったかな? よっと」

ドサッ

彡(゚)(゚)「あ、本が……ん?」

彡(゚)(゚)「なになに……旅館」

彡(゚)(゚)「県外やな、住み込みで食事付きやと」

彡(^)(^)「ちょうどワイが行ってみたかった所や。旅館ならまかないが出るはず」

彡(^)(^)「久しぶりにマトモな手料理が食えるで!」

彡(^)(^)「さっそく電話や」

受付「はい、ありがとうございます。恩智栄旅館です」

彡(゚)(゚)「あ、あの求人を見たんですが(若い女性の声やな)」

受付「アルバイト募集ですね。少々お待ちください。……ザ…ザ…ザザ…い…そう…だ……」

彡(゚)(゚)(まかないとか出るんかな?)

主人「はい、お電話かわりました。バイトですか?」

彡(^)(^)「はい、求人雑誌で知りまして、お願いしたいです」

主人「ありがとうございます。それで、いつからこられますか?」

彡(^)(^)「いつでも大丈夫です!」

主人「そうですか。じゃ、明日からさっそくお願いします。あ、お名前は?」

彡(^)(^)「やきうです」

主人「ヤキウ君ですね。はやくいらっしゃい」

 

 

彡(^)(^)「よっしゃ、決まったでー!」

彡(゚)(゚)「いつものように電話を録音しとって助かったで」

彡(゚)(゚)「持っていくもん、メモ帳に書いとこ」カキカキー

彡(^)(^)「雑誌の写真で見ると、自然の多そうなとこやなー。楽しみやで!」

彡(^)(^)「自然にかこまれた温泉旅館か。明日からかー」

彡(-)(-)「……腹減った」キュウー

彡(゚)(゚)「もう外、真っ暗やな」

 

 

彡(゚)(゚)「結局、冷蔵庫にあったのはいつあけたのかわからない素麺だけ(ところどころ緑色しとるような)」ズルズル

彡(゚)(゚)「はぁ。いや、明日からは金がもらえるし、旅行気分も味わえるで」

彡(^)(^)「旅館なら女の子との出会いも期待できるはず、楽しみやなー」

彡(゚)(゚)「うーん」

彡(゚)(゚)(窓に映ったワイの顔、なんか……)

彡(●)(●) (なんやろ)

彡(-)(-)「妙な気分やな。はぁ、もう寝よ」

 

 

チュンチュン チュチュチュチュチュチュチュチュチュチュッ バササッ

彡()()「ヴッ! ゴホゴホッ(頭がイタタ)」

彡(-)(-)「風邪ひいたかな? 顔洗うか」スタスタ

彡(●)(●) 「……(顔色が変やな、目の下にはクマがくっきり)」

彡(-)(-)「バイトやめよか。でも、準備できとるしなぁ」

ピピピピッ  ピピピピッ

彡(゚)(゚)「おっ、電話や」

「おはようございます。恩智栄旅館のものですがヤキウさんでしょうか?」

彡(゚)(゚)「はい。今、準備中で」

「わかりました。あの失礼ですが、声が……」

彡(゚)(゚)「あー声は、寝起きのせいです」

「そうですか。こちらに到着したら、まずは温泉につかって頂いて構いません。初日は、ゆっくりできますよ」

彡(^)(^)「はい。ありがとうございます! 失礼します」ピッ

彡(゚)(゚)「親切な人やなぁ……こんな親切にされたのは久しぶりやで」ゾワーッ

彡()()「悪寒がするで。でも、出発や」ゾワワ

 

 

ポタ ポタ    サアァァァァァ

彡()()「雨か。う、うぅ……寒い、こんなときに傘忘れるなんて(めまいもするで)」ブルブル

彡()()「ふぅ、ふぅ。ゴホゴホッ、オエェ」ヨロヨロ

彡()()「はやく、旅館へ行かんと(切符は買ったし、あとは電車に乗るだけや)」ブルブル

 

 

ガタン ゴトン ガタン ゴトン ガタン ゴトン

キィィイイイイィィーーーー

彡(●)(●)「来た! やっと乗れる(早く早く早く早く)」ガシッ

(´・ω・`) 「……」スッ

彡(゚)(゚)「えっ」

ドカッ  どしんっ

彡()()「アイタタタタぁ(なんやこいつ、ぶつかってきよった)」

(´・ω・`) 「……」スッ

ガシッ

彡()()「うわっ! なにするんや、やめろー! ワイは電車に乗るんやー!」ジタバタ

(´・ω・`) 「えっ、なんで?」

彡(●)(●)「うわー!」バタバタ

駅員1「お客さん! どうしました」ダダッ

駅員2「落ち着いて」

(´・ω・`)「君は、引かれていたんだ。危なかった、もう少しで……」スタスタ

彡(゚)(゚)「……」

駅員1「ちょっと、あちらの部屋までお願いしますねー」

 

 

彡(゚)(゚)「結局、すぐに解放されて家に戻ってきたな」

彡(-)(-)「あれは、なんやったんやろ?」

彡(゚)(゚)「あれ? 身体の調子が良くなったような」

彡(^)(^)「あー、あー。声もええし、顔色もバッチリやんけ」

彡(゚)(゚)「あっ、あの旅館に断りの連絡せな」

「この番号は現在使われておりません……」

彡(゚)(゚)「えっ、間違えたかいな。もう一度や」

「この番号は現在使われておりません……」

彡(゚)(゚)「……(今朝は、間違いなくここに掛けたはず)」

彡(^)(^)「あっ、こんなときのために電話録音しとったんやった」カチッ

「ザ……ザザ…………はい。ありがとうございます。恩智栄旅館です」

彡(゚)(゚)「えっ、なんやこの声。まるで男のような、しゃがれ声」ゾクッ

「あ、あの求人を見たんですが」

「アルバイト募集ですね。少々お待ちください。……ザ…ザ…ザザ…い…そう…だ……」

彡(゚)(゚)「ん? あれ、いまのとこ音量大きくして、再生」カチャ キュルキュル

「少々お待ちください。……ザ…ザ…ザザ…い…そう…だ……」

「……ザ…ザ…ザザ…むい…そう…だ……」

「さむい…こごえそうだ」

彡(^)(^)「わかったで! 『寒い、凍えそうだ』やな……」

彡(゚)(゚)「なんやて!」

彡(゚)(゚)「あと、子どもの声みたいな、大勢のうなり声も聞こえるような」

彡()()「気色悪!」ゾワー

主人「ヤキウ君ですね。はやくいらっしゃい」

カチャ

彡(゚)(゚)「……これが、最初の通話記録か」

彡(゚)(゚)「今朝の通話記録もあるけど、もうええ。イヤな予感する」

彡(゚)(゚)「せや、あの求人はどこや!」ガサゴソ

彡(゚)(゚)「あった……え! これ、ワイの見た写真とちゃう。こんな焼け焦げたんやないで」

彡(゚)(゚)「火事、台所で出火。宿泊客が逃げ遅れて……」

彡()()「なんやこれ?」

 

 

ピピピピッ    ピピピピッ    ピピピピッ

 

 

【怖い話】彡(゚)(゚)「旅館の求人やて?」 完